2021.12.19

盃つまんで Vol.19

続々・盛岡
お昼をすませてコーヒーにしよう。
盛岡はまた喫茶店の町。これも大手のチェーン店ばかりになってしまった東京とちがい、個人でやる小さく個性的な喫茶店がいくつもあり、そのガイドブックもある。私のよく入る朝のコーヒーは喫茶「六分儀」だ。
数段上がる入口は同じだが店名が「羅針盤」になっている。いつも座る席に水を置くのは若い娘さんだ。
「コーヒーを」「はい」
すすけた壁に沿うベンチ椅子、柱時計下のライティングデスク、その上の花、天井から下がる六本の白熱すずらん灯の柔らかい明かり、小型アップライトピアノ。木床のまん中に石油ストーブが主役然と置かれ、小窓から火が見える。

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