2022.02.26

盃つまんで Vol.25

松本1
毎年十二月に入ると、長野県安曇野山形村の妹の家に漬物の手伝いに行く。漬けるのは「朝鮮漬」。私の両親は戦前、朝鮮に住み、そこで習ったキムチを長野県で自己流にしたもので、わが家ではこの名で呼んでいる。細かく刻んだ大根、人参、ネギ、赤唐辛子、りんご、ニンニク、しょうが、鰹節、昆布、干しエビ、ゴマなどを練りあわせた具を、浅漬けした白菜の葉の間にはさんで漬け直す、とても面倒なものだ。
本番前夜について、コロナでしばらく会えなかった妹夫婦、毎年手伝いにくる妹の娘一家に再会。私には甥・姪になる幼子三人の元気無茶ぶりが最大の楽しみだ。
「おじいちゃん、わたし背中で手がにぎれるよ」「おじちゃんと言え」「やだ」。やりとりの楽しきことよ。

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