2023.04.8

盃つまんで Vol.48

「子供時代を訪ねて3」

旧わが家から小学校への通学細道をたどった。昔は両側は田んぼだったが今は住宅が並ぶ。それでも道筋は変わらず、このへんに小さな石橋があったはずのところにやはりある。松本から来るバス道路に出て右は百瀬商店という八百屋だったが今はない。その先の共同湯「港の湯」はまだあった。源泉がいくつもある浅間温泉の質素な共同湯はわずかな維持費を払うと簡単な手鉤が各戸に預けられ、それを持って戸を開けて入りに行った。わが家も風呂はなく一番近いここに通った。中は湯船があるだけで狭いが温泉は気持ちよく、父と入った帰り道の夜風は気持ちよかった。

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